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講座詳細
赤色立体地図で読み解く多摩・武蔵野の風景II
〜武蔵野台地に残る戦争の記憶と遺跡分布〜
講座趣旨
『赤色立体地図』(※)は、実際の地形が急斜面ほどより赤く、尾根ほど明るく、谷ほど暗く表現された、地形をより直感的にわかる地形図です。航空レーザ計測結果を表現(可視化)するためにアジア航測株式会社の千葉達朗氏のグループにより2002年に開発されました。
本講座はこの赤色立体地図と太平洋戦争当時の航空写真を使って、深大寺・神代植物公園周辺から調布飛行場にかけて展開した日本陸軍航空部隊の痕跡を辿ります。さらに過去四万年の多摩川流域の遺跡分布にも焦点を当てます。2回の「座学」と1回の「実地踏査」により、わたしたちの生活の場でもある多摩・武蔵野の風景と歴史を新たな視点で実感するのが、本連続講座の目的です。
※ https://www.rrim.jp/ 参照本講座はこの赤色立体地図と太平洋戦争当時の航空写真を使って、深大寺・神代植物公園周辺から調布飛行場にかけて展開した日本陸軍航空部隊の痕跡を辿ります。さらに過去四万年の多摩川流域の遺跡分布にも焦点を当てます。2回の「座学」と1回の「実地踏査」により、わたしたちの生活の場でもある多摩・武蔵野の風景と歴史を新たな視点で実感するのが、本連続講座の目的です。
実地踏査について
・徒歩距離は合計約5.3km。踏査ルートの行程は下記第2回「内容」を参照。
・持ち物は第1回講座で配布する資料(地図等)、必要に応じて飲み物、天候に応じて雨具等
・現地集合・解散場所までの交通費はご自身で負担願います。
・原則雨天決行します。(天候によりコースを変更する場合があります。)
・三鷹ネットワーク大学が加入しているNPO活動保険適用対象となります(事故・怪我等の保障)。
講座概要
講座日程 |
2022年 3月 6日 (日) 〜2022年 3月20日 (日) |
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時間 | 下記をご確認ください。 |
定員 | 15 人 (先着制) |
回数 | 3回 (通し受講のみ) |
受講料 | 3,000 円 |
教 材 | 赤色立体地図等(当日配布します。) |
難易度 | ★☆☆ |
会 場 | 下記をご確認ください。 |
受付期間 | 2月8日(水)午前9時30分から3月5日(土)午後9時 |
※スクロールしてご確認ください→
日程 | 開催時間 | 会場 | 担当講師 | 内容 |
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第1回 3月 6日 |
14時00分〜15時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 大里 重人 | 調布飛行場、深大寺周辺にみる戦時中の土地利用と現在 大正関東地震の被害(関東大震災)を受け、その対策として東京区部を緑地帯で取り囲み、防火帯としての機能を発揮させようとした「東京緑地計画」がありました。昭和12年の防空法の成立とともに、首都の「防空」(防空緑地)を中心とした土地利用に変容し、三鷹市南部から調布市北部にかけては、中島飛行機や日本針布と言った軍事産業の工場群や照空隊陣地、高射砲大隊のほか、陸軍病院や日本陸軍航空部隊など軍事拠点が多数設置されました。「お国のため」という意識が強かった当時、地元はこうした軍事施設の土地収用に協力的だったのですが、敗戦後は在日米軍に占領されたり富士産業(旧中島飛行機)など民間企業への払い下げとなり、元の土地所有者には戻りませんでした。その後、東京都が買い取り1961年に開園したのが「神代植物公園」です。本講座では、当時の航空写真と「赤色立体地図」を重ね、当時の利用状況や土木技術を考察しながらそれらの痕跡を確認していきます。 |
第2回 3月13日 |
13時00分〜16時00分 | 深大寺から調布飛行場 | 大里 重人 | 戦争末期の調布飛行場、深大寺周辺を歩く 「座学」で学んだ太平洋戦争末期の軍事施設跡や地形を、当時の航空写真に「赤色立体地図」を重ねた合成地図を片手に、実際に歩いて感じ取ります。 [実地踏査の行程] 午後1時に深大寺山門・鐘楼付近に現地集合、徒歩で土地買収墓碑、照空隊陣地跡(植物多様性センター内)、電波票定機設置跡(三鷹市大沢)、高射砲陣地跡、高射砲大隊本部兵舎群跡(羽沢小学校近辺)、調布飛行場無筋橋梁、掩体壕(えんたいごう)大沢1号を経て調布飛行場にて午後4時ごろ現地解散 |
第3回 3月20日 |
14時00分〜15時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 野口 淳 | 赤色立体地図で見る東京の四万年〜暮らしと土地利用の変遷をさぐる 東京都内には実は7,000か所を超える遺跡があります。それらの遺跡の分布と立地を赤色立体地図に重ねてみると、約四万年前の後期旧石器時代から近世までの人びとの暮らしと土地利用の変遷を知ることができます。武蔵野台地を中心とした地形の成り立ちと生活に欠かせない水環境を通して、各時代の人びとがどのように土地を利用してきたのか、とくに野川と多摩川中流域に焦点をあて、狩猟採集の時代、稲作農耕の時代、国府が置かれた時代、中世・近世の農地開発の時代の変化を学びます。 |
講師
大里 重人(おおさと しげと) | 株式会社土質リサーチ代表
駒澤大学文学部地理学科卒。技術士応用理学部門、地盤品質判定士、志木市国指定重要民俗文化財田子山富士塚保存活用委員会審議委員、長年にわたり歴史遺産の構築法研究や防災対策の計画・設計コンサルタントに携わる。『神代植物公園50周年記念特集号』『多摩のあゆみ』等に執筆、共著に『地盤リスクの知識』(丸善出版)、『法律家・消費者のための住宅地盤Q&A』(民事法研究会)等。地盤工学会年間最優秀論文賞、第四紀学会論文賞(共著)を受賞。 |
野口 淳(のぐち あつし) | 金沢大学古代文明・文化資源学研究センター客員研究員
明治大学大学院文学研究科修了。国際日本文化研究センター、明治大学校地内遺跡調査団等を経て現職。日本と南アジアの考古学調査、文化遺産保護に携わる。著書に『武蔵野に残る旧石器人の足跡 砂川遺跡』(新泉社)、『イスラームと文化財』(共編著、新泉社)、『小金井市史通史編』『同 資料編考古・中世』(共著)。 |