講座詳細
明治150年連続講座(6) 芸能と任侠思想
―音と音楽から考える日本の近代
講座趣旨
明治150年連続講座
“Alternative Narratives” 日本近代をめぐる視座
明治維新以来150年の日本の近代化の歴史は、どのように語られてきたのでしょうか。「明治維新」天皇の下での中央集権国家の確立。「文明開化」日本社会の西洋化及び工業と軍隊の近代化。「帝国主義」戦争・勝利・敗戦。「民主主義」平和的かつ民主的社会としての日本の再出発。こうした歴史叙述がなされてきました。しかし、そこには別のストーリーもあったのではないでしょうか。5回の連続講座では、日本の近代をより幅広く複合的な文脈から解き明かしてきました。
今回の6回目は、番外編としてお送りいたします。
講座概要
講座日程 | 2019年 3月23日 (土) |
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時間 | 16:30〜18:00 |
定員 | 30 人 (先着制) |
回数 | 1回 |
受講料 | 500 円 |
難易度 | ★☆☆ |
会 場 | 三鷹ネットワーク大学 |
受付期間 | 2月19日(火)午前9時30分より |
※スクロールしてご確認ください→
日程 | 開催時間 | 会場 | 担当講師 | 内容 |
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第1回 3月23日 |
16時30分〜18時00分 | 三鷹ネットワーク大学 | 齋藤 桂 | 芸能と任侠思想――音と音楽から考える日本の近代 近代の日本文化の中で、「任侠思想」は常に両義的に扱われてきました。 たとえば、近世の『水滸伝』受容や、やくざものを主役にした歌舞伎の演目の人気は、近代以降は社会秩序や倫理を逸脱するものとして克服すべき対象とされました。しかし一方ではそこに見られる忠義や自己犠牲、人情といった要素が近代的な個人主義に対置され、むしろ「日本らしい」と評価されることもありました。こうした任侠思想の両義性は、今日に至るまで、映画や音楽、文学や漫画など様々な大衆文化の源泉であり続けています。 今回の講演では、「任侠思想」と芸能・音楽との関わりを辿ることで、いわば裏側から日本文化の近代化について考えていきたいと思います。 |
講師
齋藤 桂(さいとう けい) | 京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター 講師
1980年生まれ。京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター専任講師。専門は音楽学・日本音楽史。 2010年大阪大学文学研究科博士後期課程文化表現論専攻修了、博士(文学・大阪大学)。京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター非常勤講師、大阪芸術大学非常勤講師、日本学術振興会特別研究員PD、日本学術振興会二国間交流事業特定国派遣研究者としてヘルシンキ芸術大学シベリウス音楽院博士研究員、大阪大学文学研究科助教を経て、18年より現職。 著書に、『〈裏〉日本音楽史――異形の近代』(2014、春秋社)、『1933年を聴く――戦前日本の音風景』(2017、NTT出版)がある。 |