講座詳細

明治150年連続講座(4) 明治“50”年
―久米邦武と近代の行方

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講座趣旨

明治150年連続講座
Alternative Narratives” 日本近代をめぐる視座

 この連続講座では、日本の近代をより幅広く複合的な文脈から解き明かします。
 明治維新以来150年の日本の近代化の歴史は、どのように語られてきたのでしょうか。「明治維新」天皇の下での中央集権国家の確立。「文明開化」日本社会の西洋化及び工業と軍隊の近代化。「帝国主義」戦争・勝利・敗戦。「民主主義」平和的かつ民主的社会としての日本の再出発。こうした歴史叙述がなされてきました。
 しかし、そこには別のストーリーもあったのではないでしょうか。5人の講師が、それぞれの視点から挑みます。

講座概要

講座日程 2019年 1月12日 (土)
時間 16:30〜18:00
定員 30 人 (先着制)
回数 1回
受講料 一     般 800 円
市     民 600 円
市民在勤・在学 600 円
市 民 学 生 600 円
会     員 500 円
難易度 ★☆☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 12月4日(火)午前9時30分より

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
1月12日
16時30分〜18時00分 三鷹ネットワーク大学 M.ウィリアム・スティール 明治“50”年―久米邦武と近代の行方
 1868年を中心とした「明治維新」は歴史的な出来事であるだけでなく、これまでさまざまに解釈されてきたようにそれ自身も歴史を有している。この講義では、近代日本を出発点となったこの歴史的出来事の重要性を、1918(明治51)年の時点から振り返ってみたい。具体的には、1878年に『米欧回覧実記』を出版した久米邦武(1839-1931)に焦点を当てる。
 欧米を旅した使節団での久米の経験は、彼の儒教的な世界観を変え彼自身を西洋についての権威にまで押し上げた。さらには、生産的でもありときには論争を巻き起こした歴史家ともなった。私たちは、『実記』などをとおして、彼が欧米滞在中に何を見、その後何を考えたのかを知ることができる。久米は、日本はいかに西洋から学び、独自の文明と啓蒙(“文明開化”)を築くことができるのかについて思い描いていた。
 しかし、やがて日本は、世界の列強に連なり第1次世界大戦に参戦していく。久米は、この50年の歩みを踏まえながら、この事実をどのように評価していたのだろうか。また、大隈重信などの政界・論壇のリーダーたちは、明治改元から50年を経た時点から、近代日本の過去・現在・未来をどのように見ていたのだろうか。

講師

M.ウィリアム・スティール(M. William Steele) 国際基督教大学 名誉教授
 1969年、カリフォルニア大学サンタクルーズ校修了(BA)、76年、ハーバード大学大学院博士課程修了(Ph.D)。専門は、日本近現代史、地域史。78年より、ハーバード大学講師、86年に国際基督教大学に着任(準教授)、93年より教授、2016年より名誉教授。
 著書は、『もう一つの近代−側面からみた幕末明治』(ぺりかん社、1998 年)、『鏡のなかの日本と韓国』(共著、ぺりかん社、2000年)、『ローカルヒストリーからグローバルヒストリーへ―多文化の歴史学と地域史』(共著、岩田書院、2005年)ほか。

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