大人のための音読講座（ワークショップ付朗読会）三鷹ゆかりの作家・作品たち（62）
〜小山 清の「落穂拾い」より その１〜

 

◆みなさんで声に出して作品を味わいます…。
 

　これまでの読書は黙読が中心でした。声に出して読む、つまり音読すると、文章がより立体的になり、新たな世界を発見できます。読書の新しい方法として、声に出して味わう音読を体感してみませんか？ここではプロの朗読家のような正しいアクセント、明瞭な発声などは必要ありません。必要なのは、素直に物語を捉え、その気持ちをそのまま音にすることです。

　台詞、ト書き、主人公が語り手となる独白体など、 感じたままに自然に声を出す音読の楽しさをお伝えします。
　講師による朗読と、参加者の皆さんで音読するワークショップ付の講座です。

　太宰治に師事し、太宰治が甲府に疎開中は三鷹の留守宅を守り、甲府と三鷹を何度も行き来し、太宰の執筆した原稿を出版社に届けたりもした小山清。終戦後、太宰に預けていた原稿が売れるようになり作家となりました。素直で静かな描写が魅力で、受賞には至りませんでしたが、３度、芥川賞候補になりました。平成30年２、３月にとりあげる「落穂拾い」は、日常の日々の記録、交遊録を淡々と綴ったものですが、その何気なさにほっとさせられます。気負わず、作家の日常を垣間見る気持ちで、音読を楽しみませんか？