講座詳細

戦前日本の鉄道と「聖地」ツーリズム―宗教、皇室、戦争【オンライン講座】
みたか地球市民講座

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講座趣旨

戦前日本の鉄道と「聖地」ツーリズム ―宗教、皇室、戦争―【オンライン講座】
「聖地」といえば近年ではアニメ作品にちなんだ場所を訪れる聖地巡礼ツーリズムが人気です。しかし、戦前日本にも「聖地」ツーリズムがありました。鉄道とメディアによって宗教、皇室、戦争とかかわりのある「聖地(聖蹟)」が形成され、人々は娯楽、信仰、ナショナリズムといったそれぞれの思いや気分を抱きながらそれらの「聖地」を訪れました。その歴史的諸相について考えていきたいと思います。(各回の概要は下をご覧ください。)

【お申込みリンク】
Peatixでのお申し込みです。
https://mitakacp211012.peatix.com

※オンライン会議アプリのZoomを使用した講座です。ご自宅などからご参加ください。ご自身でオンライン会議アプリZoomをご用意ください。講座後、1週間程度の見逃し配信を行います。

「みたか地球市民講座」とは
 (1)「不安な時代」を生き抜くための学び
 終身雇用の崩壊、新型コロナウイルス感染症の流行など、先行きの見えない「不安な時代」にわたしたちは生きています。こうした時代にこそ、学びを通して確かな視座を構築していきましょう。
 (2) 地域から世界を考える
 地域から国全体や世界を考える、ボトムアップ型の講座です。三鷹という地域にいかりを下ろし、そこから地域や世界を見渡し、一緒にじっくり考えていきましょう。
 (3) 地域の“大学”としての新たな取り組み
 三鷹ネットワーク大学は地域性を生かし、コミュニティを育み、学びを創出する、地域の“大学”です。「みたか地球市民講座」を通して、みなさんと協働して新たな学びを創っていきましょう。
テーマ講座の今年度のテーマは「文化から見る世界の諸相」です。

講座概要

講座日程 2021年10月12日 (火)
 〜2021年12月14日 (火)
時間 下記をご確認ください。
定員 24 人 (先着制)
回数 5回 (通し受講のみ)
受講料 2,500 円
難易度 ★★☆
会 場 下記をご確認ください。
申し込み Peatixでの申し込み・支払いです。左のリンクからお申し込みください。
受付期間 9月7日(火) 午前9時30分から11月7日(日)閉館まで

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
10月12日
19時00分〜20時30分 オンライン(Zoom) 平山 昇 戦前日本の「聖地」ツーリズムとは?
「聖地」はもともとイスラム教のメッカなど宗教の「聖地」を指して使われていた言葉でしたが、20世紀になって天皇・皇室にゆかりのある「聖地(聖蹟)」という捉え方もされるようになります。「聖地」という言葉の変化をふまえながら、鉄道によって宗教と皇室にまたがる「聖地」ツーリズムが形成されていったことをとらえます。
第2回
10月26日
19時00分〜20時30分 オンライン(Zoom) 平山 昇 鉄道が変えた社寺参詣
 巷の本やインターネットなどでは「参詣のためにつくられた鉄道は多い」という説明が良く見られます。それは間違いないのですが、そのような見方だけでは、戦前日本の「聖地」と鉄道の関わりが「参詣客輸送を想定していなかった鉄道」の意図せざる結果として始まったという重要なポイントが見えなくなります。鉄道と社寺参詣がどのように出会い、関係を深めていったのかについて、鉄道の側だけでなく、不特定多数の「乗客=参詣客」の増加によって「聖/俗」のあり方が揺らいでいく社寺側の反応も視野に入れつつ考えていきましょう。
第3回
11月 9日
19時00分〜20時30分 オンライン(Zoom) 平山 昇 国鉄と私鉄――競争と協調
 国鉄と私鉄といえば、昭和世代の方々には「サービスが悪い国鉄」「サービスが良い私鉄」というイメージがあると思いますが、戦前日本の鉄道史をみていくとそのようなイメージとは大きくかけ離れた歴史像がみえてきます。「聖地」ツーリズム活性化の重要な背景となった国鉄と私鉄の関係を「競争+協調」の両面から考えます。あわせて、私鉄経営の成功者として称賛されることが多い小林一三の歴史像について、この講座との関わりも含めて再考します。
第4回
11月30日
19時00分〜20時30分 オンライン(Zoom) 平山 昇 「三聖地」というセット化――私鉄と神社、それぞれの思惑
 昭和に入ると、関西私鉄は「三聖地」巡拝をさかんに売り込むようになります。これとは別に、橿原神宮も「三神宮」という言葉を使って政府と議会に向かって様々な主張をするようになります。両者の同床異夢の関係のなかでいくつもの異なるヴァージョンでの「三聖地」ツーリズムが形成されていくことを明らかにします。
第5回
12月14日
19時00分〜20時30分 オンライン(Zoom) 平山 昇 総力戦体制と「聖地」ツーリズム――鍛錬と信仰
「聖地」ツーリズムの重要度を飛躍的に高めたのが、総力戦体制でした。なぜなら、日中戦争の勃発によって娯楽の「自粛」が求められるようになるなかで、旅行の正当化の理屈として「鍛錬」と「信仰」が強調されるようになったからです。戦争になったからといって娯楽が一気に縮小したわけではなく、「時局」にマッチした理屈で人々が「聖地」へと向かった諸相を明らかにします。

講師

平山 昇(ひらやま のぼる) 神奈川大学 国際日本学部 国際文化交流学科 准教授
 1977年、長崎県生まれ。専攻は日本近現代史。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。駿台予備学校講師、立教大学兼任講師、九州産業大学准教授などを経て、2020年4月より神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科准教授。
 主な著書・論文に『初詣の社会史 鉄道と娯楽が生んだナショナリズム』(東京大学出版会、2015年、第42回交通図書賞受賞)、『鉄道が変えた社寺参詣』(交通新聞社新書、2012年)、「明治・大正期の西宮神社十日戎」(『国立歴史民俗博物館研究報告』155、2010年3月、第2回鉄道史学会住田奨励賞受賞)、「『体験』と『気分』の共同体――20世紀前半の伊勢神宮・明治神宮参拝ツーリズム」(『思想』第1132号、2018年8月)がある。

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