講座詳細

数学の夕べ10月
「円・球面・球体をめぐって」

C2050700.pdf

講座趣旨

国際基督教大学 寄付講座
“数学の夕べ”

 数学は新たな視点を加えながら現在も発展を続けています。特に近代以降の数学から数多くの興味深いトピックが生まれました。容易にはアクセスできず、知られていないものも多くあります。
 近年は、数学についての啓発的な書物も多く出版され、三鷹ネットワーク大学で開講する小林一章先生の講座を含め、興味深いトピックがより深く取り上げられる機会も増えています。
 本講座では、そのような興味深いトピックの中から一つ選んで、数学の視点や発展の様子などを紹介していきたいと思います。講座の中で、必要な予備知識も出来るだけ説明する予定です。

講座概要

講座日程 2020年10月16日 (金)
時間 19:00〜20:30
定員 20 人
回数 1回
受講料 500 円
難易度 ★★☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 9月8日(火)午前9時30分〜10月15日(木)午後9時

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
10月16日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 土屋 あい子 円・球面・球体をめぐって
 非ユークリッド幾何学の一つ、球面幾何学を概観したのち、円・球面・球体をめぐって古くから論じられてきた話題を紹介する。n次元の単位球の周りに重なることなく同時に接する単位球は最大何個あるだろうか?その個数はkissing numberとよばれ、n=1、2、3、4、8、24のとき、それぞれ2、6、12、24、240、196560であることが分かっている。3次元でのこの問題はNewtonの13球問題ともよばれ、17世紀終わり頃から議論され、1953年にその厳密な証明が初めて与えられた。この問題は、互いに重なり合わない球を並べて空間を埋め尽くす球充填問題とつながるが、この空間が双曲空間であったらどうだろうか等々と興味は広がる。また、位相幾何学の視点から、球面からユークリッド空間への連続写像に関するBorsuk-Ulamの定理も紹介したい。

講師

土屋 あい子(つちや あいこ) 元国際基督教大学上級准教授 
 1950年三重県生まれ。津田塾大学学芸学部数学科卒業。津田塾大学助手を経て、78年より国際基督教大学教養学部理学科、2008年よりアーツサイエンス学科の数学教師。
 専門は位相幾何学で、特に多様体と呼ばれる物体に群が作用する様子を研究する変換群論を専門とする。

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