講座詳細
数学の夕べ 変換群と等質空間
講座趣旨
数学は新たな視点を加えながら現在も発展を続けています。特に近代以降の数学から数多くの興味深いトピックが生まれました。容易にはアクセスできず、知られていないものも多くあります。
近年は、数学についての啓発的な書物も多く出版され、三鷹ネットワーク大学で開講されている小林一章先生の講座を含め、興味深いトピックがより深く取り上げられる機会も増えています。
本講座では、そのような興味深いトピックの中から一つ選んで、数学の視点や発展の様子などを紹介していきたいと思います。講座の中で、必要な予備知識もできるだけ説明する予定です。
【今回の内容】
大まかに言うと、等質空間とはどの点の周りでも性質が等しい空間です。その空間は“群(ぐん)”と関係します。群とは、いくつかの性質をもつ演算が定められた集合です。たとえば実数の集合は足し算という演算で群に、実数全体からゼロを除いた集合は掛け算によって群となります。
集合XからXへの変換(Xの点を余すところなく1対1に対応させる写像)のある集まりが写像の合成を演算として群Gになるとき、このGをXの変換群と呼びます。群GがXに作用するとも言います。そして、変換群GによってXのどの点からどの点にでも移れるとき、GはXに推移的に作用していると言います。このとき、Xの点xを点yに移すGの元(変換)によって、xの周りの性質はyの周りの性質に遺伝することになります。よってXは(Gの)等質空間と言えます。
平面上の原点中心の回転達の集まりは回転群と呼ばれる群になり、SO(2)と表記されます。原点中心の半径1の円周S1はSO(2)の等質空間です。球面S2はSO(3)の等質空間、二葉双曲面はローレンツ群の等質空間となります。
講座ではまず、2行2列、3行3列の行列からなる群達を調べ、行列群が推移的に作用している色々な等質空間を眺めてみましょう。
講座概要
講座日程 | 2016年11月24日 (木) |
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時間 | 19:00〜20:30 |
定員 | 30 人 (先着制) |
回数 | 1回 |
受講料 | 500 円 |
難易度 | ★★☆ |
会 場 | 三鷹ネットワーク大学 |
受付期間 | 10月18日(火)午前9時30分より |
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日程 | 開催時間 | 会場 | 担当講師 |
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第1回 11月24日 |
19時00分〜20時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 土屋 あい子 元国際基督教大学上級准教授 |
講師
土屋 あい子(つちや あいこ) | 元国際基督教大学上級准教授
1950年三重県生まれ。津田塾大学学芸学部数学科卒業。津田塾大学助手を経て、1978年より国際基督教大学教養学部理学科、2008年よりアーツサイエンス学科の数学教師。専門は位相幾何学で、特に多様体と呼ばれる物体に群が作用する様子を研究する変換群論を専門とする。 |