講座詳細

数学の夕べ 合同式から広がる幾何学

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講座趣旨

 数学は新たな視点を加えながら現在も発展を続けています。特に近代以降の数学から数多くの興味深いトピックが生まれました。容易にはアクセスできず、知られていないものも多くあります。
近年は、数学についての啓発的な書物も多く出版され、三鷹ネットワーク大学で開講する小林一章先生の講座を含め、興味深いトピックがより深く取り上げられる機会も増えています。
 
 本講座では、そのような興味深いトピックの中から一つ選んで、数学の視点や発展の様子などを紹介していきたいと思います。講座の中で、必要な予備知識も出来るだけ説明して行く予定です。

【今回の内容】
 20世紀前半に立てられた合同方程式の解の個数についてのヴェイユの予想は、有限体上の代数多様体の研究を促し、代数幾何学の刷新に大きな役割を果たしました。特に、その解決に向けたヴェイユの示唆を実現しようとする試みの中から、今日スキームと呼ばれる概念が導入され、エタール位相という考えも生まれました。どちらも圏論的な観点が決定的な役割を果たします。

 今回は、合同方程式から始めて、有限体上の代数多様体の有理点の数え上げを簡単な例で理解し、ヴェイユ予想が何であるかをお話します。その途中で、無限遠点を加える射影多様体の見方、複素数体上で有理的な点の全体等にも触れて、ヴェイユ予想により代数幾何学が関手による点という新たな概念を獲得した様子を紹介します。

講座概要

講座日程 2016年10月19日 (水)
時間 19:00〜20:30
定員 30 人 (先着制)
回数 1回
受講料 500 円
難易度 ★★☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 9月20日(火)午前9時30分より

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師
第1回
10月19日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 清水 勇二 国際基督教大学教授

講師

清水 勇二(しみず ゆうじ) 国際基督教大学教授
 東京生まれ。東京大学理学部卒業。東北大学、京都大学を経て、2000年から国際基督教大学に在職。現在、教養学部教授。専門は代数幾何学、特にホッジ理論で、リーマン面のモジュライの共形場理論への応用も研究している。
 著書に、「複素構造の変形と周期」(岩波書店、上野健爾氏と共著)、「基礎と応用 ベクトル解析」(サイエンス社)、翻訳に「数え上げ幾何と弦理論」(S.カッツ著、日本評論社)。

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