講座詳細

アニメーション文化講座 傑作アニメーションを、とことん味わおう
#1 「岸辺のふたり」「くもとちゅうりっぷ」

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講座趣旨

 10分前後の短編アニメーションの中には、芸術性と娯楽性を兼ね備え、長編では味わえない魅力をたたえたものが数多く存在します。ところが日本では、アニメといえば、テレビアニメか劇場用の長編アニメ映画のことだと思っている人が、残念ながら多いのです。
 今回の講座は、優れた短編アニメーション作品の中から特に傑出した二本を選び、それを徹底的に鑑賞してみようという企画です。どちらの作品も、繰り返し見ることが苦痛ではなく、快楽であるような驚くべき傑作です。これらを何度も見、討論することによって、受講者みずからが、その映像的な魅力、表現の斬新さ、そして内容的な含蓄の深さを発見していく、というのがこの講座の狙いです。参考作品の上映もあります。
 講師はアニメーション映画の作り手である高畑勲監督。アニメーション映画がこんなにも深く、面白いものなのか、ということがきっと納得できるはずです。

講座概要

講座日程 2016年10月 7日 (金)
 〜2016年10月28日 (金)
時間 下記をご確認ください。
定員 50 人 (定員を超えた場合は抽選です)
回数 4回 通し受講のみ
受講料 一     般 3,000 円
市     民 2,400 円
市民在勤・在学 2,400 円
市 民 学 生 1,800 円
会     員 1,500 円
難易度 ★★☆
会 場 下記をご確認ください。
受付期間 9月6日(火) 午前9時30分〜9月20日(火)午後5時

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
10月 7日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 高畑 勲 アニメーション映画監督  「岸辺のふたり」(監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット、制作年:2000年)をじっくり観よう。  何度か上映し、その都度、講師が受講者に細部について質問し、受講者が答え、映像をきちんと把握する。
 参考上映「お坊さんと魚」(同上)
第2回
10月14日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 高畑 勲 アニメーション映画監督  「岸辺のふたり」の、一見シンプルに見えるアニメーションにこめられた、様々な意味や背景をともに読み解く。
第3回
10月21日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 高畑 勲 アニメーション映画監督  「くもとちゅうりっぷ」(監督:政岡 憲三、制作年:1943年)をじっくり観よう。 そのうえで、感想を出し合い、戦後のアニメとどこが違うかも発見する。
 参考上映「桜」(同上)
第4回
10月28日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 高畑 勲 アニメーション映画監督
なみき たかし アニメーション研究家
 「くもとちゅうりっぷ」から東映動画へと続くアニメーションの歴史、政岡憲三という天才作家が生まれた背景を、様々な歴史資料と共に解説する。
 特別講師に、なみき たかし氏(オープロダクション社長)をお招きする。

講師

高畑 勲(たかはた いさお) アニメーション映画監督
 1935年、三重県伊勢市に生まれ、岡山で育つ。59年に東京大学仏文科卒業後、東映動画へ入社。TVシリーズ「狼少年ケン」で初演出。劇場用映画「太陽の王子ホルスの大冒険」(68)で初監督。以後、「アルプスの少女ハイジ」(74)、「母をたずねて三千里」(76)、「赤毛のアン」(79)(以上、TV)、「セロ弾きのゴーシュ」(82)、「じゃりン子チエ」(81)、「火垂るの墓」(88)、「おもひでぽろぽろ」(91)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(94)、「ホーホケキョとなりの山田くん」(99)を発表。2013年には待望の最新作「かぐや姫の物語」が公開され、毎日映画コンクールアニメーション映画賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞(アニメーション映画部門)等を受賞し、15年同作品は第87回 米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞にノミネートされた。
 「風の谷のナウシカ」(1984)、「天空の城ラピュタ」(86)のプロデューサー。「キリクと魔女」(2003) 「アズールとアスマール」(07)(ミッシェル・オスロ監督)の日本語版翻訳・演出、「王と鳥」(1980)(ポール・グリモー監督、ジャック・プレヴェール脚本)の日本語字幕翻訳(2006)も手がける。16年9月17日公開の「レッドタートル ある島の物語」(原作・脚本・監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)ではアーティスティック・プロデューサーを務めている。
 著作に『映画を作りながら考えたこと』『十二世紀のアニメーション』(以上徳間書店刊)、『ジャック・プレヴェール ことばたち』(ぴあ刊、訳および解説と注解)、『ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶』(ぴあ刊、編・訳)、『一枚の絵から/日本編』『一枚の絵から/海外編』『アニメーション、折りにふれて』(以上岩波書店刊)などがある。
 1998年、紫綬褒章を受章。2009年にはロカルノ国際映画祭で名誉豹賞、10年にはアニメアワード功労賞を受賞。12年には米・ロードアイランドスクールオブデザイン(RISD)名誉博士号、14年には東京アニメアワードフェスティバル2014特別賞・アニメドール、アヌシー国際アニメーション映画祭名誉功労賞(Cristal d’honneur)、15年にはフランス芸術文化勲章オフィシエ、16年にはウィンザー・マッケイ賞を受賞している。
なみき たかし(なみき たかし) アニメーション研究家  [ 第4回 特別講師 ]
 1952年埼玉県生まれ。アニドウ会長、日本アニメーション文化財団代表理事、オープロダクション代表取締役社長、作品のプロデューサーも務める。
 アニドウでは「もりやすじ画集」(93)、「小田部羊一アニメーション画集」(2008)、「もぐらのスタジオ」(13)などを編集・出版、DVDでは「タクンフィルムズ」(1997)、「くもとちゅうりっぷ〜政岡憲三作品集」(2004) 、「セロ弾きのゴーシュ」の監修・特典制作(15/ジブリがいっぱいコレクションより再発売)、「DVD世界アニメーション映画史第1集〜第6集」(06)などを制作。1987年の広島国際アニメーションフェスティバルで国際選考委員、99年のアヌシー国際アニメーション・フェスティバルでは国際審査員、また2004年には東京都現代美術館の企画展「日本漫画映画の全貌」を構成・プロデュースするなど、多彩な活動によりアニメ界の先人たちの顕彰に寄与している。
 著書に写真集「アニメーテッド・ピープル・イン・フォト」(00)。現在、政岡憲三の評伝を執筆中。

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