大人のための音読講座（ワークショップ付朗読会）三鷹ゆかりの作家たち（２５）
太宰 治の作品「美男子と煙草」その１

講座趣旨

◆みなさんで声に出して作品を味わいます…。

　これまでの読書は黙読が中心でした。声に出して読む、つまり音読すると、文章がより立体的になり、新たな世界を発見できます。読書の新しい方法として、声に出して味わう音読を体感してみませんか？ここではプロの朗読家のような正しいアクセント、明瞭な発声などは必要ありません。必要なのは、素直に物語を捉え、その気持ちをそのまま音にするということです。
台詞、ト書き、主人公が語り手となる独白体など、 感じたままに自然に声を出す音読の楽しさをお伝えします。
　講師による朗読と、参加者の皆さんで音読するワークショップ付の講座です。

　太宰の晩年、昭和23年3月に発表された作品で、12月、1月と2回連続で読んでいきます。太宰が、ある雑誌記者らと上野の浮浪者を取材する様子が書かれていて、主人公の私は「太宰」本人です。取材前に記者に妙なお酒を飲まされ、次第に酔っ払っていく様子や台詞のやり取りはユーモラスで、音読も楽しくなるでしょう。
　冒頭、太宰の心情を吐露する部分から、作品最後に添えられた滑稽なエピソードまで、
短い作品ではありますが、太宰の心模様の変化がさまざまに感じられる奥深い作品です。
　太宰治文学サロンで開催中の企画展示ともあわせてお楽しみください。