講座詳細

数学の夕べ 9月
アーベル関数の向こうへ

B2453900.pdf

講座趣旨

国際基督教大学 寄付講座
“数学の夕べ”
 数学は新たな視点を加えながら現在も発展を続けています。特に近代以降の数学から数多くの興味深いトピックが生まれました。容易にはアクセスできず、知られていないものも多くあります。
 近年は、数学についての啓発的な書物も多く出版され、三鷹ネットワーク大学で開講する小林一章先生の講座を含め、興味深いトピックがより深く取り上げられる機会も増えています。
 本講座では、そのような興味深いトピックの中から一つ選んで、数学の視点や発展の様子などを紹介していきたいと思います。講座の中で、必要な予備知識もできるだけ説明する予定です。

 

講座概要

講座日程 2024年 9月27日 (金)
時間 19:00〜20:30
定員 25 人 (先着制)
回数 1回
受講料 500 円
難易度 ★★☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 8月20日(火)午前9時30分〜9月26日(木)午後9時

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
9月27日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 清水 勇二 アーベル関数の向こうへ
 前回は、1変数のテータ関数の諸性質や応用、そしてその幾何的背景について話した。
 テータ関数の多変数化とは、幾何的には種数が2以上の代数曲線への拡張を意味する。そして、楕円曲線の高次元版として、ヤコビ多様体と呼ばれると、呼ばれる対象が登場する。ヤコビ多様体は曲線上の直線束のモジュライ空間となっている。
 アーベル積分・アーベル関数は可換性と深く結びついている。そのアーベル的特徴を超えた数学とは、非可換性を取り入れた対象の研究である。その一つが、階数2以上のベクトル束のモジュライ空間を用いる研究である。その方向への展開についてもお話しする。

講師

清水 勇二(しみず ゆうじ) 国際基督教大学 特任教授
 東京生まれ。東京大学理学部卒業。東北大学、京都大学を経て、2000年から国際基督教大学に在職。現在、教養学部教授。専門は代数幾何学、特にホッジ理論で、リーマン面のモジュライの共形場理論への応用も研究している。
 著書に、『複素構造の変形と周期』(上野健爾氏と共著、岩波書店)、『基礎と応用 ベクトル解析』(サイエンス社)、『圏と加群』(朝倉書店)、翻訳に『数え上げ幾何と弦理論』(S.カッツ著、日本評論社)がある。

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