講座詳細
高齢者福祉研究(2023年度)
―今日の生活困難の広がりに対応できる高齢者ケアをめざして
講座趣旨
ルーテル学院大学大学院サテライトキャンパス講座
高齢者福祉研究
今日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により孤立、貧困等の問題が深刻化しています。ひきこもり状態にある人は100万人を超え、高齢者、障がい者等の孤立が顕在化しています。さらに高齢者が直面する経済的格差、老化に伴う認知症高齢者の生活課題、介護問題等に私たちは直面しています。だからこそ、私は、3つのチャレンジを大切にしたいと思います。
第1は、今までの支援の意味を確認すること。もし支援してきた方々が生活困難のただ中に置かれているならば、何としても支援を強化するか、それに代わる支援を生み出していかなければなりません。
第2は、コミュニティとケアのあるべき姿を描くこと。
そして第3は、コミュニティを再生するために、協働した働きを進めること。より多くの人材、機関と協働して、地域にある資源を掘り起こし、様々な協働を模索することが急務です。
今回の授業では、今日の課題と取り組み状況を科学的に検証しつつ、3つの視点で、これからの地域包括ケアを考えていきたいと思います。
※本講座は、ルーテル学院大学大学院の正規講義です。受講の際には三鷹ネットワーク大学で募集する受講生に加えて、ルーテル学院大学の大学院生が履修します。
※三鷹ネットワーク大学の受講生は単位取得ができません。
■講師による書類選考があります■
申し込み締切(延長):9月7日(木)午後9時まで
所定の申込用紙に必要事項を記入のうえ、メール添付、郵送、ファックスまたはご持参にて三鷹ネットワーク大学にお申込みください。
講座概要
講座日程 |
2023年 9月15日 (金) 〜2023年10月20日 (金) |
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時間 | 下記をご確認ください。 |
定員 | 10 人 ※書類選考あり |
回数 | 5回 通し受講のみ |
受講料 | 一 般 5,000 円 市 民 4,000 円 市民在勤・在学 4,000 円 市 民 学 生 3,000 円 会 員 2,500 円 |
難易度 | ★★★ |
会 場 | 下記をご確認ください。 |
申し込み | 大学卒業程度で社会福祉関係従事者の方を主な対象としています。→受講を希望する方は申込書の提出が必要です。申込書は「申し込み用紙をダウンロード」から入手できます。 |
受付期間 | 8月8日(火)午前9時30分〜9月7日(木)午後9時 |
※スクロールしてご確認ください→
日程 | 開催時間 | 会場 | 担当講師 | 内容 |
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第1回 9月15日 |
18時30分〜21時00分 | 三鷹ネットワーク大学 | 市川 一宏 | 高齢者が直面する孤立、介護等の生活課題を学ぶ 超高齢社会にある今、コロナ禍で様々な課題が顕在化した。急激な人口の高齢化と家族の核家族化による老々介護の問題、また認知症高齢者、孤立の問題等、統計資料や実際の事例等を用いながら学習する。 |
第2回 9月22日 |
18時30分〜21時00分 | 三鷹ネットワーク大学 | 市川 一宏 | 高齢者福祉の展開と課題(明治⇒大正⇒昭和⇒平成⇒令和) 明治期より今日に至る高齢者福祉の歴史を踏まえ、日本における施策の展開を検討する。具体的には、貧困者対策、入所施設を中心とした対策が、在宅福祉へと移行し、さらに地域福祉型へと移行する過程を振り返り、今日の高齢者福祉の位置づけを明らかにする。 |
第3回 9月29日 |
18時30分〜21時00分 | 三鷹ネットワーク大学 | 市川 一宏 | 今日の高齢者福祉―介護保険制度を中心に― 社会福祉基礎構造改革以降、担い手が多様化し、社会福祉士、ケアマネジャー等の様々な専門職が登場してきた。そして、自立支援と予防、地域包括ケアとまちづくりをめざす福祉が強調されている。今日の介護保険制度を比較検討し、現状と課題を学習する。 |
第4回 10月 6日 |
18時30分〜21時00分 | 三鷹ネットワーク大学 | 市川 一宏 | 今日の高齢者福祉―重層的支援体制整備事業等 保育と高齢者ケアを合わせた共生型サービス、各自治体で行われているケアラー支援、生活支援・介護予防サービス、生活困窮者自立支援、重層的支援体制整備事業等、新しい取り組みが実施されてきている。これらを検証していく。 |
第5回 10月20日 |
18時30分〜21時00分 | 三鷹ネットワーク大学 | 市川 一宏 | これからの高齢者福祉を描く 地域包括ケアシステムに代表とされる近年の改革、高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画、地域福祉計画は、高齢者福祉が従来の日常生活動作能力を軸としたケアから、生活者の視点からの「生活の質」(QOL:Quality of Life)を尊重した援助への移行を迫っている。さらに、地域ケアのあり方を検証することが不可欠であり、保健医療福祉だけでなく、まちづくりや環境との協働が具体的な検討課題である。総括として、これからの高齢者福祉のあるべき姿を一緒に考えたい。 |
講師
市川 一宏(いちかわ かずひろ) | ルーテル学院大学 名誉教授
日本地域福祉学会監事、第8期東京都高齢者保健福祉計画策定委員会前委員長、東京都共助社会づくりを進めるための検討会前委員長、三鷹市、調布市、小金井市、練馬区等の介護保険事業計画等の策定の責任を担う。国・都道府県・市区町村の行政、社会福祉協議会、民間団体における計画の策定、実施、評価および調査研究、人材養成等に多数関わる。近年、社会福祉の推進を通したまちづくり、保健医療福祉等の連携、共生・参加型社会における福祉政策と実践の統合に関する研究を進めている。 |