講座詳細

太宰を読む百夜百冊その2 第5回
3つの『太宰治全集』

B1652200

講座趣旨

 昭和14(1939)年、三鷹に転居してきた太宰治。以後約9年の間に、「走れメロス」や「ヴィヨンの妻」「人間失格」など数多くの作品が執筆されました。三鷹ゆかりの作家、太宰治について、没後60年・生誕100年を記念して、平成25年5月まで開催した「太宰を読む百夜百冊」の意義を引き継ぎ、後継の文学講座として「太宰を読む百夜百冊 その2」を開催します。各回の講師が自身の思いを重ねて太宰治の作品を語っていただきます。また、専門分野を踏まえた独自の考察を語っていただきます。

【今回の内容】
 今回は、太宰治文学サロンで開催中の企画展示「太宰治の全集創作」に関連して、『太宰治全集』をめぐる問題を概観する。『太宰治全集』は、個人全集としては『漱石全集』に次ぐ売り上げをほこる。他の作家に比べて、太宰治は個人全集を通して受容されることが多い作家であるとも言えるだろう。太宰治という作家を考える場合、個人全集との関わりについて考えることは、決して些末な問題というわけではなさそうだ。
 実は最初の『太宰治全集』は太宰の在世中に刊行開始されており、太宰はその企画・編集に積極的に関わったことが知られている。だが、版元である八雲書店の倒産により未完に終わった。2つ目の『太宰治全集』は習作や書簡が収録されていなかったものの、太宰の妻である津島美知子が編集に関わっている。3つ目は、1955年に筑摩書房から刊行開始されたものであり、それによって初めて本格的な『太宰治全集』が完成したことになる。以上、3つの『太宰治全集』を中心に、太宰治と個人全集との関わりについて考えてみたい。

講座概要

講座日程 2016年 9月 4日 (日)
時間 14:00〜15:30
定員 40 人 (先着制)
回数 1回
受講料 一     般 1,000 円
市     民 800 円
市民在勤・在学 800 円
市 民 学 生 600 円
会     員 500 円
難易度 ★☆☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 7月19日(火)の午前9時30分より

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師
第1回
9月 4日
14時00分〜15時30分 三鷹ネットワーク大学 滝口 明祥 大東文化大学専任講師

講師

滝口 明祥(タキグチ アキヒロ) 大東文化大学専任講師
 1980年広島県呉市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(日本語日本文学)。早稲田大学国文学会(窪田空穂)賞受賞。学習院大学助教を経て現在、大東文化大学専任講師。 著書に『井伏鱒二と「ちぐはぐ」な近代』(新曜社、2012年)、『太宰治ブームの系譜』(ひつじ書房、16年)、主な論文に「滑稽な〈男〉たちの物語―太宰治『パンドラの匣』」(「太宰治スタディーズ」5号、14年6月)、「「風俗」と「喜劇」が結びつくとき―井伏鱒二と戦後喜劇映画」(「文学」15巻6号、14年11月)、「ツーリズムのなかの「富嶽百景」―太宰治と山梨」(「文学・語学」211号、14年12月)などがある。

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