講座詳細
数学の夕べ ユークリッド曲面と双曲的曲面
−双曲平面の等長変換
講座趣旨
数学は新たな視点を加えながら現在も発展を続けています。特に近代以降の数学から数多くの興味深いトピックが生まれました。容易にはアクセスできず、知られていないものも多くあります。
近年は、数学についての啓発的な書物も多く出版され、三鷹ネットワーク大学で開講されている小林一章先生の講座を含め、興味深いトピックがより深く取り上げられる機会も増えています。
本講座では、そのような興味深いトピックの中から一つ選んで、数学の視点や発展の様子などを紹介していきたいと思います。講座の中で、必要な予備知識もできるだけ説明して行く予定です。
【今回の内容】
2点間の距離の定まった集合を距離空間という。各点で長さを込めてユークリッド平面R2の小円板と同一視できる近傍を選ぶことができるとき、この距離空間をユークリッド曲面と呼ぶ。トーラス(ドーナツの表面)や果てのない円柱の表面はユークリッド曲面である。2次元平面のy座標が正の部分集合Hを上半平面という。Hにはx軸に直交する半円、もしくはx軸に直交する半直線が“直線”となる距離を入れることができる。この距離空間Hは非ユークリッド幾何学の一つである双曲幾何学のモデルで、そこではユークリッド幾何で知られる平行線の公理は成立しない。長さを込めて局所的にHと同一視できる距離空間を双曲的曲面と呼ぶ。2人乗り、3人乗りの浮き輪はその例である。
ところでトーラスや果てのない円柱はR2の等長変換(長さを変えない変換)である平行移動によってR2の点達を同一視してできあがる。果てのない円柱はx軸方向に1だけ移動する平行移動で移り合う点を同一視してできる。更にy軸方向に1だけ移動する平行移動で移り合う点を同一視するとトーラスとなる。
では双曲平面Hの等長変換はどのようなものであろうか。
講座概要
講座日程 | 2016年 8月26日 (金) |
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時間 | 19:00〜20:30 |
定員 | 30 人 (先着制) |
回数 | 1回 |
受講料 | 500 円 |
難易度 | ★★☆ |
会 場 | 三鷹ネットワーク大学 |
受付期間 | 7月19日(火)の午前9時30分より |
※スクロールしてご確認ください→
日程 | 開催時間 | 会場 | 担当講師 |
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第1回 8月26日 |
19時00分〜20時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 土屋 あい子 国際基督教大学元上級准教授 |
講師
土屋 あい子(つちや あいこ) | 国際基督教大学元上級准教授
1950年三重県生まれ。津田塾大学学芸学部数学科卒業。津田塾大学助手を経て、1978年より国際基督教大学教養学部理学科、2008年よりアーツサイエンス学科の数学教師。専門は位相幾何学で、特に多様体と呼ばれる物体に群が作用する様子を研究する変換群論を専門とする。 |