講座詳細
太宰を読む百夜百冊その2 第4回
太宰と安吾〜共鳴し合う文学精神〜
講座趣旨
戦後文壇において最も華々しい活躍をみせた「無頼派」の二大作家、太宰治と坂口安吾。同じグループに分類されながら、一見、二人のイメージは正反対のようにもみえる。「太宰が甘口の酒とすれば、坂口はジンだ。ウォッカだ」と三島由紀夫が評したように、太宰は女性的で弱く、安吾は男性的で強い、そうみられることが多い。しかし、印象批評を除けば、二人の文学の理想像はよく似ていた。共に、徒党を嫌い、世の中の権威にへつらうことを嫌った。めざすは文学の最頂点。その完遂のためなら命をなげうつことも厭わない。文壇のボスだろうと世界の古典だろうと、ダメなものはダメと言い切る勇気と絶対的な審美眼があった。太宰と安吾が出会ったのは数回きりだったが、戦前から、互いに認め合う同志のような存在だった。年代順に作品を並べてみると、面白いほど呼応・共鳴し合っているのがわかる。そうした比較を通して、二人の創作技法の得意・不得意、共通点・相違点などを探ってみたい。
講座概要
講座日程 | 2016年 4月24日 (日) |
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時間 | 14:00〜15:30 |
定員 | 40 人 (先着制) |
回数 | 1回 |
受講料 | 一 般 1,000 円 市 民 800 円 市民在勤・在学 800 円 市 民 学 生 600 円 会 員 500 円 |
難易度 | ★☆☆ |
会 場 | 三鷹ネットワーク大学 |
受付期間 |
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日程 | 開催時間 | 会場 | 担当講師 |
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第1回 4月24日 |
14時00分〜15時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 七北 数人 文芸評論家 |
講師
七北 数人(ナナキタ カズト) | 文芸評論家
1961年、名古屋市出身。大阪大学文学部で国文学を専攻、太宰治の文体研究を卒論とした。出版社勤務を経て文芸評論活動を始める。97年から筑摩書房の決定版『坂口安吾全集』編集に携わり、別巻に長大な坂口安吾年譜および関連人物名鑑を執筆。2002年、集英社より『評伝坂口安吾―魂の事件簿―』を刊行。06年から現在まで、坂口安吾デジタルミュージアムの『作品紹介』を毎月執筆している。岩波文庫版『坂口安吾作品集』(全3冊)、実業之日本社文庫『無頼派作家の夜』シリーズ(全3冊)など編著書多数。 |