大人のための音読講座（ワークショップ付朗読会）三鷹ゆかりの作家たち（３０）
太宰治の作品「道化の華」より

講座趣旨

◆みなさんで声に出して作品を味わいます…。

　これまでの読書は黙読が中心でした。声に出して読む、つまり音読すると、文章がより立体的になり、新たな世界を発見できます。読書の新しい方法として、声に出して味わう音読を体感してみませんか？ここではプロの朗読家のような正しいアクセント、明瞭な発声などは必要ありません。必要なのは、素直に物語を捉え、その気持ちをそのまま音にするということです。
台詞、ト書き、主人公が語り手となる独白体など、 感じたままに自然に声を出す音読の楽しさをお伝えします。
　講師による朗読と、参加者の皆さんで音読するワークショップ付の講座です。

　太宰治文学サロンで5月31日まで開催中の展示「初の創作集『晩年』と芥川賞をめぐって」に関連して、『晩年』に収められた長編「道化の華」を取り上げます。物語の合間に時折、作者が顔を出し作品について語る、というユニークな形式は、当時の文壇でも話題となり、同じく『晩年』に収められた「逆行」とともに芥川賞の候補となりました。太宰自身が「日本にまだない小説だ」と言ったというユニークな構成を声に出して味わいましょう。